防犯カメラの導入ガイド【店舗・オフィス】台数・設置場所・録画・配線・費用の決め方

店舗・オフィスに防犯カメラを導入するときは、「何のために、誰が、どこから見るか」を最初に決め、そこから台数・録画・配線・費用を順に決めていくと、失敗が少なくなります。カメラの機種から選び始めると、設置してから「見たい場所が映っていない」「スマホで見られない」「保存期間が足りない」が起きがちです。
このガイドでは、導入で決めることを 6 つの段階に分け、それぞれの詳しい解説記事を案内します。全体の流れをつかんでから、気になる段階の記事を読んでください。
導入で決めること(全体の流れ)
| 段階 | 決めること | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 1. 目的 | 何を防ぎたいか、何を記録したいか、誰が見るか | 本ページ |
| 2. 台数と設置場所 | どこに何台、どの向きで付けるか | 何台必要か。台数と設置場所の決め方 |
| 3. 録画 | 録画機かクラウドか、何日残すか | クラウド録画と録画機の違い/録画の保存期間の決め方 |
| 4. 配線とネットワーク | 給電の方法、配線の経路、ネットワークの分け方 | PoE で設置する仕組みと配線のポイント/Wi-Fi が途切れる原因と有線化の判断/屋外配線の方法と雨対策 |
| 5. 遠隔確認 | スマホ・本部から見る方法と権限 | 複数店舗を本部でまとめて見る方法/スマホで見られない原因 |
| 6. 見積りと保守 | 見積りの比べ方、導入後の点検と故障対応 | 見積りで確認すべき 8 項目/録画されていないときの原因と点検/夜に映らない・白く飛ぶ原因と対策 |
既存のカメラを替える場合は、古い防犯カメラの入れ替えから読むと、今の配線を生かせるかどうかが分かります。
1. 目的を決める
目的によって、必要な台数も画質も保存期間も変わります。
- 防ぎたいこと:万引き、来店客とのトラブル、不正、侵入、いたずら
- 記録したいこと:出入りの記録、レジ周りの操作、搬入の状況
- 見る人と場所:店長が店内で見るのか、オーナーが外出先から見るのか、本部が全店を見るのか
「抑止のために付けたい」のか「後で確認できるように記録したい」のかで、カメラの見せ方(目立たせるか)や画質の優先順位も変わります。
個人情報保護委員会の Q&A では、特定の個人を識別できる防犯カメラの映像は個人情報に当たり、利用目的の範囲で扱うこと、カメラが作動中であることを入口や設置場所に掲示して分かりやすくすることが望ましいとされています(出典:個人情報保護委員会「従来型防犯カメラを設置し、防犯目的で利用する場合の留意点(Q1-13)」)。
2. 台数と設置場所を決める
台数は店舗の広さではなく、守りたいものから決めます。出入口、レジ、バックヤード、搬入口など、映したい場所を先に書き出し、1 台で何を映すかを決めていきます。詳しくは台数と設置場所の決め方で解説しています。

3. 録画の方式と保存期間を決める
- 方式:多店舗・遠隔確認重視ならクラウド録画、1 店舗・台数が多い・長期保存なら録画機が向いています(違いと選び方)
- 保存期間:トラブルに気づくまでの日数から逆算します。店舗・オフィスは 2 週間〜1 か月が目安です(保存期間の決め方)
4. 配線とネットワークを決める
防犯カメラの多くはネットワークにつながる機器です。カメラより先に、配線とネットワークの設計でつまずくことが少なくありません。
- 給電:LAN ケーブル 1 本で電気と映像を通す PoE なら、カメラごとの電源工事が要りません。ただしケーブルの長さと給電の上限に決まりがあります(PoE の仕組みと配線のポイント)
- ネットワークの分け方:カメラ用のネットワークは、来店客向け Wi-Fi や POS と分けます
- 回線:クラウド録画では店舗の回線の上り(送る方向)を使います

5. 遠隔確認の方法と権限を決める
- 見る方法:ルーターの設定(ポート開放)に頼る方式は、ルーター交換や回線の切り替えで見られなくなりやすいため、クラウド録画やメーカーのサーバー経由の方式を優先します(スマホで見られない原因)
- パスワード:カメラ・録画機・ルーターは初期のパスワードのまま使わず、見られる人を限ります(個人情報保護委員会「カメラ画像を取り扱う場合の安全管理措置(Q10-8)」、NOTICE「みんなで守る、IoT。」(総務省・情報通信研究機構))
- 権限:誰がどの店舗の映像を見られるかを決め、アカウントを使い回さないようにします(複数店舗の一元管理)
6. 見積りを比べ、保守を決める
見積りは「一式」の中身を、機器・配線・給電・ネットワーク・確認設定・継続費用に分けて確かめます(見積りで確認すべき 8 項目)。あわせて、導入後の点検や故障時の連絡先も決めておきます。
導入のスケジュールの目安
- 相談・ヒアリング 目的、見る人、店舗の状況を整理
- 現地調査 設置場所、配線経路、電源、回線とルーターを確認
- 提案・見積り 台数、方式、保存期間、配線、ネットワークの構成を提示
- 工事・設定 取付、配線、ネットワーク設定、スマホでの確認設定
- 引き渡し 映り方・録画・遠隔確認を一緒に確かめ、操作を説明
- 運用・保守 定期点検、故障対応、増設の相談
まとめ
- 導入は目的 → 台数と設置場所 → 録画 → 配線とネットワーク → 遠隔確認 → 見積りと保守の順に決める
- 失敗の多くは、配線とネットワーク、遠隔確認の設計不足から起きる
- 各段階の詳しい記事を参考に、条件をそろえて見積りを比べる
カメラの取り付けと、配線・ネットワーク・遠隔確認を同じ担当が設計すると、段階ごとの抜け漏れがなくなります。
出典と調査の方法
防犯カメラの映像の扱いと安全管理は、2026 年 9 月 25 日に次の公式サイトで確かめました。
- 個人情報保護委員会「従来型防犯カメラを設置し、防犯目的で利用する場合の留意点(Q1-13)」
- 個人情報保護委員会「防犯カメラの映像と個人情報データベース等(Q1-41)」
- 個人情報保護委員会「カメラ画像を取り扱う場合の安全管理措置(Q10-8)」
- NOTICE「みんなで守る、IoT。」(総務省・情報通信研究機構)
台数・配線・設定の考え方は、当社のネットワーク工事の経験からまとめたもので、建物や機器によって変わります。
