防犯カメラが録画されていない原因と確認方法。1 台だけか全部かで分かる切り分けと、録画を止めない点検

防犯カメラが録画されていないときは、「1 台だけか、全部のカメラか、特定の時間だけか」を最初に見ると、原因の場所を早く絞れます。
- 全部のカメラが録画されていない → 録画機(レコーダー)の HDD・設定・電源、またはクラウド録画の契約やインターネット回線を疑う
- 1 台だけが録画されていない → そのカメラの電源・配線(PoE)・ネットワークの接続を疑う
- 特定の時間だけ抜けている → 録画の予定(スケジュール)の設定、動きを検知したときだけ録る設定、停電や回線の切断を疑う
いちばん困るのは、事件やトラブルが起きて映像を探したときに初めて、録画が止まっていたと気づくことです。この記事では、原因の切り分けの順番と、止まっていることに早く気づくための点検をまとめます。
(見出しの下の画像は生成したイメージです。実際の店舗や当社の施工の写真ではありません。)
この記事で分かること
- 防犯カメラが録画されていない主な原因
- 「1 台だけか全部か」で原因を絞る切り分けの順番
- 録画機(レコーダー)とクラウド録画で確認する場所の違い
- 録画が止まっていたことに早く気づくための点検
防犯カメラが録画されていない主な原因
| 場所 | よくある原因 | 起きやすい症状 |
|---|---|---|
| 録画機(HDD) | HDD の故障・寿命、容量がいっぱいで上書きしない設定、HDD を認識していない | 全部のカメラが録画されない、ある日から録画が無い |
| 録画の設定 | 録画の予定が一部の時間だけ、動きを検知したときだけ録る設定、設定の初期化 | 夜だけ・休日だけ録画が無い、動きの少ない場面が残っていない |
| 電源 | 停電のあと録画機が起動していない、電源タップの抜け、カメラの電源の故障 | 停電の日から止まっている、1 台だけ映らない |
| 配線・PoE | LAN ケーブルの傷み・抜けかけ、PoE スイッチの給電の上限、屋外の接続部の浸水 | 1 台だけ、雨の日だけ、時々切れる |
| ネットワーク | カメラの IP アドレスの変更・重複、ルーターの交換・設定の変更 | ルーターを替えた日から、一部のカメラが録画されない |
| クラウド録画 | インターネット回線の障害・混雑、契約やプランの変更、カメラのオフライン | 回線が切れていた時間だけ抜ける |
| 時刻 | 録画機・カメラの時計のずれ | 録画はあるのに、探した時間に見つからない |
録画機の HDD は消耗品で、長く動かし続けるといずれ交換が必要になります。故障しても画面上ではライブ映像(今の映像)が見えるため、録画だけが止まっていても気づきにくいのが特徴です。
まず確かめること:ライブ映像と録画は別
防犯カメラの「映っている」と「録画されている」は別のことです。
- ライブ映像が見える → カメラとモニターの間はつながっている
- 録画が残っている → 録画機(またはクラウド)に映像が保存されている

ライブ映像が見えるから大丈夫、と判断してしまうのがよくある見落としです。確認するときは、録画の再生画面で、数分前・前日・数日前の映像を実際に呼び出せるかまで見てください。
1 台だけか全部かで切り分ける順番
1. 全部のカメラが録画されていないとき
全部のカメラで同時に止まっている場合は、カメラ側ではなく録画する側に原因があることが多いです。
- 録画機の画面やメニューで、HDD の状態(認識されているか、エラーの表示が無いか)を確かめる
- 容量がいっぱいのとき上書きする設定になっているかを確かめる。上書きしない設定だと、いっぱいになった時点で録画が止まります
- 録画の予定が、全部の時間・全部のカメラで「録画する」になっているかを確かめる
- 停電や電源の抜けのあと、録画機が正しく起動しているかを確かめる(起動しても録画が始まらない機種もあるため、録画中の表示まで見る)
- クラウド録画なら、インターネット回線がつながっているかと、管理画面でカメラが「オフライン」になっていないかを確かめる
HDD のエラーが出ている場合や、HDD を認識しない場合は、HDD の交換が必要になることがあります。交換するとそれまでの映像を読み出せないことが多いため、必要な映像がある場合は交換の前に相談してください。
2. 1 台だけ録画されていないとき
1 台だけの場合は、そのカメラまでの電源と配線を疑います。
- そのカメラのライブ映像が見えるかを確かめる(見えない場合は電源か配線)
- PoE(LAN ケーブル 1 本で電気と映像を送る方式)なら、PoE スイッチのそのポートのランプと、給電の上限を超えていないかを確かめる
- 屋外のカメラなら、接続部の防水が傷んでいないか、雨の日だけ止まっていないかを記録から確かめる
- ルーターやネットワークの機器を替えたあとなら、カメラの IP アドレスが変わっていないか、ほかの機器とぶつかっていないかを確かめる
PoE の給電の上限や配線の長さの考え方は「PoE 給電の防犯カメラとは?」、屋外の配線の傷みは「防犯カメラの屋外配線の方法」で説明しています。
3. 特定の時間だけ抜けているとき
- 夜だけ・休日だけ抜ける → 録画の予定の設定を確かめる
- 人が通ったときしか残っていない → 動きを検知したときだけ録る設定になっている。動きの判定の範囲・感度によっては、必要な場面が残らないことがある
- 毎日同じ時間に抜ける → その時間に、ルーターの自動の再起動、回線の混雑、ほかの機器の電源の入り切りが無いかを確かめる
- 探した時間に見つからない → 録画機とカメラの時計がずれていないかを確かめる。停電のあとに時刻が戻ることがある
録画機とクラウド録画で確認する場所の違い
| 方式 | 映像が保存される場所 | 主に確かめる所 |
|---|---|---|
| 録画機(レコーダー) | 店内の録画機の HDD | HDD の状態と容量、上書きの設定、録画の予定、録画機の電源 |
| クラウド録画 | インターネットの向こうのサーバー | インターネット回線、管理画面のオフライン表示、契約とプラン、カメラの電源 |
クラウド録画は、回線が切れている間の映像が保存されないことがあります(カメラ側に一時的に保存し、回線が戻ってから送る機能を持つ製品もあります)。録画機は、回線が切れても店内で録画を続けられる一方、HDD の故障に気づきにくい面があります。方式ごとの違いは「防犯カメラのクラウド録画とレコーダーの違い」をご覧ください。
録画が止まっていたことに早く気づく点検
録画の停止は、探したときに気づくのでは遅すぎます。次のような点検を、店の決まりとして入れておくのがおすすめです。
- 週に 1 回、録画を再生してみる:前日・数日前の映像を、全部のカメラで呼び出せるかを見る
- 停電・工事・ルーターの交換のあとは、その日のうちに録画の再生まで確かめる
- HDD の状態を、録画機のメニューで定期的に見る。エラーの通知をメールなどで送れる機種なら、通知先を設定しておく
- 保存されている最も古い日付を見て、決めた保存期間どおりに残っているかを確かめる(保存期間の考え方は「防犯カメラの録画の保存期間は何日?」)
- 録画機の時刻を合わせる。インターネットの時刻に自動で合わせる設定があれば使う

工事のときに確かめておくと止まりにくいこと
録画の停止を防ぐために、設置や入れ替えの工事のときに次の点を確かめておくと安心です。
- 引き渡しのときに、ライブ映像だけでなく録画の再生まで、全部のカメラで確かめる
- カメラごとの IP アドレスと、つないだ PoE スイッチのポートを一覧にして残す(あとで 1 台だけ止まったときに、どこを見ればよいかがすぐ分かる)
- 録画機と PoE スイッチを、抜けにくい電源につなぐ。足元の電源タップに挿すと、掃除や物の出し入れで抜けやすい
- 録画機を熱のこもる棚の奥に置かない。熱は HDD の寿命を縮める原因の一つです
- 改装・レイアウト変更・ほかの業者の工事のあとは、配線の抜けや傷みが無いかを確かめる
よくある質問
録画されていない時間の映像を、あとから取り出せますか
保存されていない映像は、あとから取り出すことはできません。HDD が故障している場合も、読み出しは難しいことが多いです。必要な映像がある場合は、録画機の電源を入れ直したり HDD を交換したりする前に、メーカーや設置した業者に相談してください。
HDD はどのくらいで交換が必要ですか
使い方や置き場所の温度によって違うため、一律には言えません。メーカーの説明書にある目安を確かめ、エラーの表示や録画の抜けが出たら早めに交換を検討してください。
動きを検知したときだけ録画する設定は、やめたほうがよいですか
保存できる日数を延ばせる利点があります。一方で、動きの判定の範囲や感度によっては、必要な場面が残らないことがあります。レジ・出入口など大事な場所のカメラは、常に録画する設定にするなど、カメラごとに分けるのがおすすめです。
録画の映像はどのくらいの期間、残しておけばよいですか
「トラブルに気づくまでの日数」から逆算して決めます。映像には人が映るため、個人情報として利用目的の範囲で扱い、必要以上に長く残さないことも大切です(出典:個人情報保護委員会「従来型防犯カメラを設置し、防犯目的で利用する場合の留意点(Q1-13)」)。
録画機のパスワードは変えたほうがよいですか
はい。機器に共通の初期のパスワードや、推測されやすいパスワードのまま使うと、第三者に映像を見られたり設定を変えられたりするおそれがあります。ネットワークにつながる機器のパスワードの管理は、総務省などの「NOTICE」の案内も参考になります(出典:NOTICE「みんなで守る、IoT。」)。
まとめ
- まず 1 台だけか、全部か、特定の時間だけかを見て、原因の場所を絞る
- ライブ映像が見えても、録画されているとは限らない。確認は録画の再生まで
- 全部なら HDD・上書きの設定・録画の予定・電源・回線、1 台なら 電源・PoE・配線・IP アドレスを確かめる
- 週 1 回の再生と、停電・工事のあとの確認で、止まっていたことに早く気づける
防犯カメラの導入から点検までの全体の流れは「防犯カメラの導入ガイド【店舗・オフィス】」にまとめています。
出典と調査の方法
防犯カメラの映像の扱いと、ネットワークにつながる機器の管理は、次の公式サイトで確かめました(2026 年 10 月 5 日確認)。
- 個人情報保護委員会「従来型防犯カメラを設置し、防犯目的で利用する場合の留意点(Q1-13)」
- NOTICE「みんなで守る、IoT。」(総務省・情報通信研究機構)
- 総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト:職場での対策」
原因の表、切り分けの順番、「工事のときに確かめておくと止まりにくいこと」は、録画の停止に気づくための一般的な注意点としてまとめたもので、特定の案件の記録ではありません。録画機の操作の手順、HDD の交換の目安、回線が切れたときの動きは、製品ごとに違います。お使いの製品の説明書でご確認ください。
