防犯カメラの入れ替え(リプレイス)。既存の配線(同軸・LAN)は流用できるか、どこまで工事が必要か

古い防犯カメラを入れ替えるとき、費用と工期を大きく左右するのは「今の配線をそのまま使えるか」です。カメラ本体の交換だけなら短時間で済みますが、天井裏や壁の中の配線をやり直すとなると、工事の範囲が大きく変わります。
結論から言うと、今の配線が同軸ケーブル(テレビのアンテナ線に似た丸い線)か、LAN ケーブルかで、選べる方法が決まります。この記事では、それぞれの入れ替え方と、入れ替え前に確認しておくことをまとめます。
まず今の配線の種類を確かめる
録画機の裏側を見ると、カメラからの線の種類が分かります。
| 録画機の裏の差し込み口 | 配線の種類 | 今の方式 |
|---|---|---|
| 丸いねじ込み式の差し込み口(BNC)が並んでいる | 同軸ケーブル | アナログ方式(高画質アナログを含む) |
| LAN の差し込み口が並んでいる/別の PoE スイッチにつながっている | LAN ケーブル | ネットワーク方式(IP カメラ) |

分からない場合は、録画機の型番を控えておくと、業者が方式を判断できます。
同軸ケーブル(アナログ方式)の場合の選び方
同軸ケーブルが使われている場合、入れ替えの方法は 3 つあります。
| 方法 | 内容 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 高画質アナログで入れ替え | 同軸ケーブルはそのまま、カメラと録画機を高画質アナログ方式の新機種に替える | 配線をやり直したくない、台数が少ない、遠隔確認は録画機経由で足りる | 録画機とカメラの方式を合わせる必要がある。クラウド録画には向かない |
| 同軸ケーブルを生かして IP カメラに | 同軸ケーブルでネットワーク通信を通す変換機器を両端に付ける | 天井裏の配線を触りにくい、でも IP カメラにしたい | 変換機器の分だけ機器が増える。距離と台数に制約がある |
| LAN ケーブルに引き直す | 配線から新しくし、IP カメラ+PoE にする | クラウド録画や多店舗管理をしたい、将来の増設を見込む | 配線工事が必要。ただし以後の拡張がしやすい |
クラウド録画にしたい、スマホや本部から確実に見たいという目的なら、LAN ケーブルへの引き直しが基本になります。既存の配線ルート(配管や天井裏の通り道)を再利用できれば、工事の手間は抑えられます。
LAN ケーブル(ネットワーク方式)の場合の注意点
すでに LAN ケーブルで配線されていれば、配線はそのまま使えることが多く、カメラと録画機の交換が中心になります。ただし次の点を確認します。
- ケーブルの規格と劣化:古いケーブルは規格が低い、屋外部分が紫外線で傷んでいることがあります。新しいカメラの給電(PoE)が安定しない原因になります
- 給電の上限:新しいカメラは赤外線照明や高画質化で消費電力が増えていることがあります。PoE スイッチの上限を再計算します(詳しくはPoE で防犯カメラを設置する仕組み)
- 録画機とカメラの相性:録画機だけ残す、カメラだけ替えるといった部分的な入れ替えでは、メーカーや方式の違いで映らないことがあります
入れ替え前に確認しておくこと
- 今の録画を残す必要があるか:録画機を撤去すると、保存されている映像も消えます。必要な期間の映像は、入れ替え前に書き出しておきます
- カメラの位置は今のままでよいか:入れ替えは、死角を見直す良い機会です。レジや出入口の位置が変わっていないかも確認します(台数と設置場所の決め方)
- 遠隔確認のやり方:古い方式はルーターのポート開放で外から見ていることが多く、回線の切り替えで見られなくなりがちです。入れ替えを機に、クラウド録画などルーター設定に頼らない方式を検討します
- 天井や壁の跡:古いカメラの取付穴や金具の跡が残ります。新しいカメラで隠せるか、補修が必要かを確認します
- 営業への影響:工事の時間帯と、入れ替え中にカメラが止まる時間を決めておきます
入れ替えの進め方
- 現地調査 配線の種類と状態、録画機の型番、カメラの位置、回線とルーターを確認
- 方式の決定 同軸を生かすか、LAN に引き直すか。遠隔確認・クラウド録画の要否も決める
- 録画の書き出し 残す必要がある映像を保存
- 入れ替え工事 カメラ・録画機・配線の交換。営業時間に合わせて日程を組む
- 設定と確認 録画、画角、スマホでの確認、夜間の映り方まで確かめて引き渡し
- 古い機器の処分 録画機の記録媒体は、映像が残らない形で処分する

まとめ
- 入れ替えの範囲は、今の配線が同軸ケーブルか LAN ケーブルかで決まる
- クラウド録画やスマホでの確実な確認が目的なら、LAN ケーブル+ IP カメラが基本
- 入れ替え前に、録画の書き出し・カメラの位置・遠隔確認の方式を見直す
既存の配線を生かせるかどうかは、現地で配線の状態を見ないと判断できない部分です。配線とネットワークの両方を見られる業者に現地調査を頼むと、使える部分を生かした見積りになります。
出典と調査の方法
ネットワークにつながるカメラの安全は、2026 年 9 月 25 日に次の公式サイトで確かめました。
古いカメラや録画機は、初期のパスワードのままになっていないか、入れ替えのときに見直してください。台数・配線・設定の考え方は、当社のネットワーク工事の経験からまとめたもので、建物や機器によって変わります。
