防犯カメラの屋外配線の方法。配管・壁の引き込み・電源の取り方と、雨で故障させない注意点

防犯カメラを屋外に付けるときの配線は、「どこから電源を取るか」「どこから建物の中へ入れるか」「雨と日差しからどう守るか」の 3 つで決まります。
- 電源とデータを 1 本の LAN ケーブルで送れる PoE にすると、屋外のコンセントが要らず、配線も 1 本で済みます
- 建物への引き込みは、既存の配管・換気口・エアコンの穴を使えるかを先に確かめ、無理なら小さな穴をあけて防水処理をします
- 屋外に出るケーブルは、配管(PF 管など)かモールで覆い、接続部は防水の箱の中に収めます
(見出しの下の画像は生成したイメージです。実際の建物や当社の施工の写真ではありません。)
この記事で分かること
- 屋外の防犯カメラの配線の全体像(カメラ→壁→録画機・ネットワーク)
- 配管・モール・露出のどれを選ぶか
- 壁への引き込みと電源の取り方
- 雨・紫外線・いたずらで故障させないための注意点
- 自分でできる作業と、資格の要る作業の境目
屋外の防犯カメラの配線は、どこからどこまでつなぐのか
屋外カメラの配線は、ふつう次の 3 区間に分かれます。
| 区間 | 通すもの | 気をつけること |
|---|---|---|
| カメラ〜外壁 | LAN ケーブル(または同軸ケーブル)と、必要なら電源 | 雨・紫外線・いたずら |
| 外壁〜建物の中 | 同上 | 引き込み口の防水、建物の構造(防火区画など) |
| 建物の中〜録画機・ネットワーク機器 | 同上 | 天井裏や壁の中の経路、機器の置き場所 |
ネットワークカメラなら、つなぐ先は録画機(レコーダー)か、クラウド録画なら店舗のルーター・スイッチです。どちらにつなぐかで配線の行き先が変わるため、録画の方式を先に決めておくと工事の手戻りが減ります。録画の方式の違いは「クラウド録画とレコーダーの違い」で説明しています。
屋外の配線は、配管・モール・露出のどれにするか
屋外のケーブルは、覆い方で耐久性と見た目が変わります。
| 覆い方 | 特ちょう | 向いている場所 |
|---|---|---|
| 配管(屋外で使える耐候性の製品を選ぶ) | 雨・紫外線・衝撃からケーブルを守れる。後からケーブルの入れ替えもしやすい | 地面に近い場所、人の手が届く高さ、長い距離 |
| モール(配線カバー) | 外壁に沿わせて目立ちにくくできる。屋外用の製品を選ぶ | 軒下など雨が直接当たりにくい場所、短い距離 |
| 露出(ケーブルのまま) | 手軽だが、紫外線や風で傷みやすく、切られやすい | 屋外ではなるべく避ける |

屋外で不具合が出たときは、カメラ本体だけでなくケーブルや接続部の傷みも疑います。屋外用(耐候性)のケーブルを使っていても、接続部に水が入ると映像が途切れたり、カメラが再起動を繰り返したりします。
配線の経路の選び方
- 雨の当たりにくい軒下や外壁の角に沿わせる
- 人の手が届く高さは配管で守る。いたずらで切られると録画が止まるため
- 屋根の上や雨どいの近くなど、水が集まる場所は避ける
- カメラの取付位置は、配線の経路とあわせて決める。映したい範囲だけで決めると、配線が長く、目立つ経路になりがち
カメラの台数と設置場所の決め方は「店舗の防犯カメラは何台必要か」をご覧ください。
壁への引き込みはどうするか(穴をあける・あけない)
屋外から建物の中へケーブルを入れる方法は、主に次の 3 つです。
- 既存の配管を使う:電話線やテレビの配管、空いている配管に通す。穴をあけずに済むことがある
- 換気口・エアコンの配管の穴を使う:すき間があれば通せるが、防水とすき間の処理が必要
- 外壁に小さな穴をあける:ケーブルの太さに合わせた穴をあけ、外側を下向きにして雨水が入らないように処理し、すき間をパテやコーキングでふさぐ
賃貸の建物やテナントでは、穴をあける前に大家さん・管理会社の許可が要ります。外壁の材質(コンクリート・サイディング・ALC など)によって、あけてよい場所と処理の方法も変わります。
引き込みで見落としやすいこと
- 壁の中に電気の配線や水道管が通っていないか
- 引き込んだ先(室内側)に、ケーブルを録画機やネットワーク機器まで通す経路があるか
- 建物によっては、壁や天井が防火区画になっていて、貫通部の処理に決まりがある
電源の取り方。PoE・屋外コンセント・室内から送る
屋外カメラの電源の取り方は、次の 3 つが基本です。
| 方法 | 仕組み | 特ちょう |
|---|---|---|
| PoE(LAN ケーブルで給電) | 室内の PoE スイッチやレコーダーから、LAN ケーブル 1 本で電源と映像を送る | 屋外にコンセントが要らない。配線が 1 本で済む |
| 屋外コンセント | カメラの近くのコンセントから AC アダプターで給電 | AC アダプターは防水でないことが多く、防水の箱に収める必要がある |
| 室内から電源線を延ばす | 室内のコンセントから電源線を屋外へ通す | 配線が 2 本になる。長いと電圧が下がることがある |

新しく屋外にカメラを付けるなら、PoE 対応のカメラを選ぶと配線が単純になり、故障の箇所も減ります。PoE の仕組みと注意点は「PoE で防犯カメラを設置する仕組み」で詳しく説明しています。
電気工事士の資格が要る作業
コンセントを新しく増やす、分電盤から電源線を引くといった100V の電気の配線工事は、電気工事士の資格が必要です(電気工事士法)。AC アダプターをすでにあるコンセントに挿す、LAN ケーブルを通すといった作業とは分けて考えてください。どこまでが資格の要る作業かは、電気工事士法と同法施行令で決められています。
雨・紫外線・いたずらで故障させないための注意点
- 接続部は防水の箱(ボックス)の中に:ケーブル同士や AC アダプターの接続部は、屋外用の箱に収め、すき間を処理する
- ケーブルの入口は下向きに:カメラや箱に入るケーブルを一度下に垂らしてから上げると、雨水が伝って入りにくい
- 屋外用の部材を使う:屋内用のモールや結束バンドは、紫外線で数年のうちに割れることがある
- 手の届く位置は配管で守る:ケーブルを切られると、その時間は録画が止まる
- カメラの向きと日差し:朝日や西日が正面から入る向きは、映像が白く飛びやすい
起こりやすい手戻り
屋外の配線では、次のような手戻りが起こりがちです。
- 取付位置を先に決めると、引き込み口が遠く、配線が長く目立つ経路になることがある
- 既存の配管を使う予定でも、中が詰まっていて通らないことがある
- 室内の録画機やルーターの近くにコンセントや LAN の口が足りないことがある
- Wi-Fi のカメラにしても、屋外まで電波が届かず有線に切り替えることがある(「防犯カメラの Wi-Fi が途切れる原因」)
事前に現地で配線の経路と引き込み口を確かめると、こうした手戻りを減らせます。
自分で配線してよいか、業者に頼むか
| 作業 | 目安 |
|---|---|
| ワイヤレス・電池式のカメラを付ける | 自分でもできる(電波の届き方は要確認) |
| 屋外用の LAN ケーブルを通し、PoE で給電する | 高所作業・穴あけ・防水の処理ができれば可能。店舗や事務所では業者に頼むのが確実 |
| コンセントの増設・電源線の配線 | 電気工事士の資格が必要 |
| 複数台・天井裏や壁の中の配線 | 業者に頼むのが一般的 |
店舗や事務所では、脚立での高所作業、外壁の穴あけ、防水の処理が重なるため、配線まで含めて業者に任せるほうが結果的に早く確実です。
よくある質問
屋外の防犯カメラの配線を目立たなくする方法はありますか
外壁の色に近いモールを使う、軒下や外壁の角に沿わせる、引き込み口をカメラの真裏に作る、といった方法があります。建物の構造によっては、カメラの真裏から直接室内へ引き込めることもあります。
穴をあけずに屋外カメラを設置できますか
既存の配管や換気口を使える場合や、ワイヤレス・電池式のカメラなら、穴をあけずに済むことがあります。ただし、電池の交換や電波の届き方の確認が必要です。
屋外用の LAN ケーブルは普通のものと何が違いますか
屋外用は、紫外線や温度の変化に強い外装になっています。屋内用を屋外で使うと、外装が傷みやすくなります。配管の中に通す場合でも、屋外に出る区間は屋外用を選ぶのが基本です。
配線の長さに限りはありますか
LAN ケーブル(イーサネット)は、一般に機器と機器の間で 100m まで(接続用のコードを含む)が目安とされています。PoE では、ケーブルの種類や給電の量によって、実際に使える長さが短くなることがあります。長くなる場合は、途中にスイッチを置くなどの方法をとります(「PoE で防犯カメラを設置する仕組み」)。
まとめ
- 屋外カメラの配線は、電源・引き込み・雨対策の 3 つで決まる
- 新しく付けるなら、PoE で配線を 1 本にすると単純で故障も減る
- 屋外のケーブルは配管かモールで覆い、接続部は防水の箱に収める
- 100V の配線は電気工事士の資格が必要。賃貸は穴あけの前に許可を取る
店舗・オフィスの防犯カメラの導入全体(台数・録画・配線・費用)は「店舗・オフィスの防犯カメラ導入ガイド」にまとめています。
出典と調査の方法
電気の配線工事に資格が要ることは、次の法令で確かめました(2026 年 9 月 28 日確認)。
配線の経路・覆い方・引き込み・防水の処理、「起こりやすい手戻り」は、当社のネットワーク工事の経験から一般的な注意点としてまとめたもので、特定の案件の記録ではありません。部材や処理の方法は、建物の構造と外壁の材質によって変わります。
