店舗の防犯カメラは何台必要? おすすめの設置場所と台数の決め方

「防犯カメラを入れたいが、何台必要か分からない」というご相談をよくいただきます。台数は建物の広さからは決まりません。守りたいものと、起きてほしくないことから逆算します。
この記事では、実際に現地調査で判断している順番をそのまま書きます。
まず「何のために付けるのか」を 1 つに絞る
目的によって、必要な台数も画質も置き場所も変わります。まず次のどれが主目的かを決めてください。
| 目的 | 重視すること |
|---|---|
| 外部からの侵入を抑止したい | 目立つ位置。屋外。台数は少なくてよい |
| 万引き・不正を記録したい | 画質と画角。人物や手元が判別できること |
| 従業員とのトラブルを防ぎたい | レジ・バックヤード・金庫まわり |
| 遠隔から店舗の様子を見たい | スマートフォンでの確認。多店舗ならまとめて見られること |
| 事故・クレームの事実確認をしたい | 保存期間。出入口と客席 |
「全部」と答えたくなりますが、優先順位を付けないと台数だけが増えます。予算に対して効果が薄い構成になりがちです。
設置場所と台数は「押さえるべき地点」の数で決まる
広さではなく、次の地点をいくつ押さえるかで決まります。
- 出入口(客用・従業員用・搬入口)
- レジまわり(現金と手元)
- 金庫・バックヤード・事務所
- 死角になる通路や棚の陰
- 屋外(駐車場、駐輪場、ごみ置き場、看板)

小規模な飲食店なら 3〜4 台、フロアの広い小売店なら 6 台以上になることが多い、という程度の目安です。実際には建物の形と柱の位置で変わります。
「映っていたが判別できなかった」を避ける
いちばん多い失敗がこれです。事件や事故が起きてから録画を確認したところ、人が映ってはいるが誰か分からない、というものです。原因は 3 つに分かれます。
1. 画角が広すぎる
1 台で広い範囲を見ようとすると、その分だけ 1 人あたりの解像度が落ちます。「広く浅く」の 1 台より、「狭く深く」の 2 台が有効な場面は多いです。
2. 逆光
出入口を店内から撮ると、昼間は外光で人物が真っ黒になります。設置位置か、逆光に強い機種で対応します。
3. 保存期間が短い
トラブルは、その日のうちに発覚するとは限りません。「気づいたときには上書きされていた」は実際によく起きます。何日分残すかを最初に決め、それに合わせて録画機の容量を決めます。
見積りを比べるときに見る項目
複数社から見積りを取るときは、次が書かれているかを確認してください。「一式」とだけ書かれた見積りは比較できません。
- カメラの機種名と台数
- 録画機の型番と容量、そこから決まる保存日数
- 配線の方法(露出か隠蔽か)と配線の長さ
- 電源工事の有無
- 遠隔確認の設定が含まれるか
- 設置後の保守と、その範囲
- 既存設備を流用する場合、どこまで流用するか
保存日数が書かれていない見積りは、あとで「思ったより短かった」となりやすい部分です。
ネットワークにつながる機器だと意識する
いまの防犯カメラは、ほとんどがネットワーク機器です。カメラを増やすと、その分だけ回線とルーターに負荷がかかります。
- 店舗の回線が細いと、遠隔確認が途切れる
- 既存のルーターが古いと、カメラを足したときに全体が遅くなる
- 多店舗をまとめて見たい場合は、店舗ネットワーク側の設計が先に必要

カメラの設置業者とネットワークの業者が別だと、ここで話が止まります。「映らない」原因がカメラ側かネットワーク側か分からず、双方に問い合わせることになるためです。
設置で注意すること(個人情報・パスワード)
個人情報保護委員会の Q&A では、特定の個人を識別できる防犯カメラの映像は個人情報に当たり、利用目的の範囲で扱うこと、カメラが作動中であることを入口や設置場所に掲示して分かりやすくすることが望ましいとされています(出典:個人情報保護委員会「従来型防犯カメラを設置し、防犯目的で利用する場合の留意点(Q1-13)」)。
ネットワークにつながるカメラやルーターを初期の ID・パスワードのまま使うと、乗っ取られてサイバー攻撃に悪用されるおそれがあります。総務省と情報通信研究機構は「NOTICE」で、こうした機器の調査と注意の呼びかけを行っています(出典:NOTICE「みんなで守る、IoT。」(総務省・情報通信研究機構))。
まとめ
- 目的を 1 つに絞る
- 押さえる地点を数え上げ、そこから台数を出す
- 画角・逆光・保存期間の 3 つを最初に決める
- 見積りは「一式」ではなく機種名と保存日数で比べる
- ネットワーク側もあわせて見られる相手に頼む
台数と設置場所は、現地を見ないと確定できません。設置場所と台数の目安だけでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
導入全体の流れ(録画・配線・遠隔確認・見積り)は、店舗・オフィスの防犯カメラ導入ガイドにまとめています。
出典と調査の方法
防犯カメラの掲示と機器の安全は、2026 年 9 月 25 日に次の公式サイトで確かめました。
台数・配線・設定の考え方は、当社のネットワーク工事の経験からまとめたもので、建物や機器によって変わります。
