POS レジの入れ替えで確かめること。店のネットワーク・配線・つながる機器の準備と、切り替えの日の順番

POS レジの入れ替えでは、レジの機種選びと同じくらい、店のネットワークの側の準備が大切です。入れ替えのあとに「プリンターから印刷されない」「決済端末がつながらない」と分かると、営業が止まります。
- つながる機器の一覧を作る:レジ、決済端末、レシートプリンター、キッチンプリンター、キャッシュドロア、ハンディ端末など
- 有線か Wi-Fi か、電源と配線の位置を、新しいレジの置き場所に合わせて決める
- 切り替えの日は、営業時間外に、つなぐ順番と確認の手順を決めて行う
(見出しの下の画像は生成したイメージです。実際の店舗や当社の施工の写真ではありません。)
この記事で分かること
- 入れ替えの前に作っておく「つながる機器の一覧」
- 新しいレジに合わせて確かめるネットワークと配線
- 切り替えの日の順番
- 入れ替えのあとに確かめること
入れ替えの前に、つながる機器の一覧を作る
POS レジは、レジの本体だけでなく、多くの機器とつながって動いています。入れ替えの前に、今どの機器が、どうつながっているかを一覧にしておくと、抜けが出にくくなります。
| 機器 | 確かめること |
|---|---|
| レジの本体(タブレット・パソコン) | 有線か Wi-Fi か、置き場所、台数 |
| 決済端末(カード・電子マネー・QR) | レジとの連動の方式(Wi-Fi・Bluetooth・有線)、決済の会社の対応 |
| レシートプリンター | つなぎ方(LAN・Wi-Fi・Bluetooth・USB)、手で決めた IP アドレスの有無 |
| キッチンプリンター・キッチンの画面 | 厨房までの配線・電波、熱や水への強さ |
| キャッシュドロア | プリンターかレジのどちらにつなぐか |
| ハンディ端末・セルフオーダーの端末 | Wi-Fi が客席の全部に届くか |
| ルーター・スイッチ・アクセスポイント | 置き場所、空いている差し込み口、つなげる台数 |

新しいレジのメーカーが対応している機器の一覧と見比べ、今の機器を使い続けられるか、入れ替えが要るかを確かめます。対応していない機器があると、レジだけ替えても動きません。
新しいレジに合わせて確かめるネットワークと配線
有線か Wi-Fi か
- 据え置きのレジ、決済端末、プリンターなど、止まると会計できない機器は、なるべく有線でつなぐ
- Wi-Fi でつなぐ機器は、新しいレジの位置で電波が十分に届くかを確かめる。カウンターの位置を変える場合は特に注意します
- ハンディ端末やセルフオーダーの端末を使う場合は、客席の全部で Wi-Fi が届くかを確かめる
電源と配線の位置
- 各機器の電源の取り方(コンセント・PoE・USB など)を確かめ、新しいレジの周りに必要な差し込み口と電源の容量が足りるか。足元の電源タップは、掃除や物の出し入れで抜けやすい
- LAN の配線が、新しいレジの位置まで届くか。カウンターの下を通す場合は、足で踏まれない経路にする
- 厨房のプリンターまでの配線は、熱や水の近くを避ける
コンセントの増設や移設で配線を変える工事は、原則として電気工事士の資格を持つ人に頼みます(出典:電気工事士法(e-Gov 法令検索))。必要なら、入れ替えの日より前に済ませておきます。
ネットワークを分ける
レジ・決済の機器と、来店客向けの Wi-Fi は、別のネットワークにしておきます。入れ替えは、ネットワークの作りを見直す機会にもなります。
IP アドレスを記録する
プリンターや決済端末に手で決めた IP アドレスを使っている場合は、入れ替えの前に一覧にしておきます。新しいレジの設定で同じ番号を指定する必要があったり、新しく足した機器とぶつかって、つながったり切れたりする原因になったりします。
切り替えの日の順番
切り替えは、閉店後や定休日など、営業に影響しない時間に行います。
- 今のレジの売上を締める:その日の売上の締めと、必要なデータの書き出しを、今のレジで済ませる
- 新しいレジを置き、電源と LAN をつなぐ
- ネットワークにつながるかを確かめる:レジの画面で、インターネットとレジのクラウドにつながるかを見る
- 周りの機器を 1 台ずつつなぐ:プリンター→キャッシュドロア→決済端末→キッチンプリンター→ハンディ端末の順など、1 台ずつつないで動作を確かめる
- 試しの会計をする:商品の登録、レシートの印刷、キッチンへの注文の送信、決済の流れを、メーカーの案内にある方法で確かめる
- 困ったときの手順を確かめる:レジがつながらないときのオフラインの会計や、予備の回線への切り替えの手順を、スタッフで確かめる

一度に全部をつなぐと、つながらないときにどの機器が原因か分かりにくくなります。1 台ずつが切り分けやすい進め方です。
入れ替えのあとに確かめること
- 開店直後と、いちばん混む時間に、会計・印刷・決済が遅れないか
- 客席の端や厨房など、電波が届きにくい場所の端末が切れないか
- 夜間や定休日をまたいだあと、翌朝にレジが正しく立ち上がるか
- 売上のデータが、レジのクラウドや会計のソフトに正しく送られているか
入れ替えのあとに、レジやタブレットのネットワークが切れる場合は「POS レジのネットワークが切れる原因と対処法」で、切り分けの順番を説明しています。回線の会社も同時に替える場合は「店舗の光回線を乗り換えるときに止まる機器と切替の順番」もご覧ください。
入れ替えで起きやすいこと
入れ替えのときに起きやすいこととして、次のようなものがあります。
- 新しいレジの位置で、Wi-Fi の電波が前より弱くなる
- 家庭用のルーターのまま、つなぐ機器の台数が増えて不安定になる
- 古いプリンターの IP アドレスの控えが無く、設定を探すのに時間がかかる
- カウンターの下の配線が、入れ替えの作業で抜けかける
よくある質問
今のレシートプリンターや決済端末は、新しいレジでも使えますか
新しいレジのメーカーが対応している機器なら使えることがあります。対応の一覧を必ず確かめ、分からない場合はメーカーに問い合わせてください。
切り替えはどのくらいの時間がかかりますか
機器の数、ネットワークの作り、商品の登録の量によって大きく違います。営業に影響しないよう、時間に余裕のある日を選び、つながらないときに元に戻す手順も決めておくと安心です。
Wi-Fi のルーターも一緒に替えたほうがよいですか
今のルーターで不安定なことがある、つなぐ台数が増える、といった場合は、入れ替えと合わせて検討します。ただし、レジと同時に替えると、問題が起きたときに原因を切り分けにくくなるため、先にネットワークを整えてから、レジを入れ替える順番がおすすめです。
ネットワークの機器のパスワードは変えたほうがよいですか
はい。機器に共通の初期のパスワードや、推測されやすい管理用のパスワードのまま使うと、第三者に設定を変えられるおそれがあります。機器ごとに違う複雑な初期のパスワードが付いている場合は、メーカーの案内に従います(出典:NOTICE「みんなで守る、IoT。」)。
まとめ
- 入れ替えの前に、つながる機器の一覧と IP アドレスの控えを作る
- 止まると困る機器は有線で。Wi-Fi の機器は、新しい位置で電波が届くかを確かめる
- 切り替えは営業時間外に、1 台ずつつないで確かめる
- 入れ替えのあとは、混む時間と翌朝の動きまで確かめる
出典と調査の方法
店舗のネットワークと機器の安全な使い方、電気の工事の資格は、次の公式サイトで確かめました(2026 年 10 月 5 日確認)。
- 総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト:職場での対策」
- 総務省「無線 LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について」
- NOTICE「みんなで守る、IoT。」(総務省・情報通信研究機構)(ネットワークにつながる機器のパスワードの管理)
- 電気工事士法(e-Gov 法令検索)(電気の工事に電気工事士の資格が要ること)
つながる機器の一覧、切り替えの順番、「入れ替えで起きやすいこと」は、入れ替えのときに確かめたい一般的な注意点としてまとめたもので、特定の案件の記録ではありません。対応する機器、切り替えの手順、オフラインでの会計の可否は、レジ・決済端末の製品ごとに違います。
