店舗の光回線の乗り換えでレジ(POS)を止めない方法。切り替え前の確認と当日の手順

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店舗の光回線を切り替えたあとにレジやカード決済が動かないときは、回線そのものより、ルーターの設定と、店内の機器のつなぎ方に原因があることが多くあります。
止めないためのいちばんの準備は、切り替えの前に「どの機器が、どこにつながっているか」を書き出すことです。これが無いまま当日を迎えると、動かない機器を 1 台ずつ探すことになります。
この記事では、切り替え前に調べておくこと、当日の作業の順番、切り替え後に一部の機器だけ動かないときの切り分けを、店舗のネットワーク工事の立場からまとめます。
(見出しの下の画像は生成したイメージです。実際の店舗や当社の施工の写真ではありません。)
回線を切り替えると、なぜレジが止まるのか
回線や契約を変えると、インターネットの入口の機器(ルーター)やその設定が変わる場合があります。機器をそのまま使える切り替えもありますが、店内の機器はこの入口の設定を前提に動いているため、入口が変わると一部だけ通信できなくなることがあります。
止まりやすいのは次のような機器です。
| 機器 | 止まりやすい理由 |
|---|---|
| タブレットのレジ(POS) | Wi-Fi の名前(SSID)とパスワードが変わると、つなぎ直すまで使えない |
| カード決済端末 | 有線でつないでいる場合は、ルーターの交換や差し替えの影響を受ける。決済会社によっては通信の条件(使う通信の出入口など)が決まっている |
| 電話(ひかり電話など) | 回線の事業者が変わると、電話の設定や機器が変わる。番号を引き継げるかは契約の内容による |
| 防犯カメラ | 外からスマホで見る設定が、ルーターの設定や固定の IP アドレス(インターネット上の住所)に頼っていることがある |
| 本部とつなぐ機器 | 本部や他の店舗と専用の経路(VPN)でつないでいる場合、新しいルーターに同じ設定が必要 |
どれも「回線が遅い・つながらない」とは別の問題です。インターネットのページは見られるのに、特定の機器だけ動かない、という形で表れます。
切り替え前に調べておく 5 つのこと
1. 店内の機器と、つながっている場所
レジ、決済端末、電話、防犯カメラ、予約や注文のタブレット、券売機、音楽や看板の機器など、ネットワークにつながっている機器を 1 台ずつ書き出します。それぞれについて、次を控えます。
- 有線(LAN ケーブル)か、Wi-Fi か
- 有線なら、どの機器のどの差し込み口につながっているか
- Wi-Fi なら、どの Wi-Fi の名前につながっているか

ルーターの裏の LAN ケーブルに、つながっている先を書いた札を付けておくと、当日の差し替えで間違えにくくなります。
2. いまのルーターの設定
ルーターの管理画面で、次の設定があるかを確かめます。分からない場合は、設置した業者か、機器の取扱説明書で確認します。
- Wi-Fi の名前とパスワード
- 外から機器を見るための設定(ポートの開放など)
- 本部とつなぐ経路(VPN)の設定
- 機器ごとに決めた店内の住所(固定のローカル IP アドレス)
新しいルーターでも Wi-Fi の名前とパスワードを同じにすると、タブレットやスマホのつなぎ直しを減らせる場合があります。暗号化の方式(WPA2・WPA3 など)が変わる場合や、機器によってはつなぎ直しが必要になるため、いまの方式も控えておきます。店内の機器が多い店ほど、この準備の効果が大きくなります。
3. 契約で変わるもの
乗り換え先の事業者に、次を確かめます。
- 開通の日と、いまの回線の解約日の関係(解約日を開通日より前にしない)
- 固定の IP アドレスを使っているか。使っているなら、新しい契約でも付けられるか。変わる場合は、その住所を登録している相手(決済会社、防犯カメラ、本部のシステムなど)に変更の連絡が要るか
- 電話番号を引き継げるか、電話の機器が変わるか
- 工事が要るか(事業者の変更だけで工事の要らない契約もある)と、立ち会いが要るか
4. 機器ごとの連絡先
決済端末やレジのサービスには、それぞれサポートの窓口があります。回線を変えることを事前に伝え、必要な手続きがあるかを聞いておくと安心です。決済端末は、決済会社側で設定の変更が要る場合があります。
5. 切り替えの時間帯
開通の工事や設定の変更は、営業時間外か、客の少ない時間帯に入れます。工事の日時は事業者の都合で決まることもあるため、早めに相談します。
当日の作業の順番
切り替えの当日は、次の順番で進めると、止まった機器をすぐ見つけられます。
- 切り替え前に、すべての機器が動くことを確かめる(切り替え後に動かない機器があったとき、もともと動いていなかったのかを区別するため)
- 新しい回線の機器(光回線の終端装置やルーター)を設置し、インターネットにつながることを 1 台の端末で確かめる
- 新しいルーターに、Wi-Fi の名前・パスワード、外から見るための設定、VPN などを入れる
- 店内の機器を1 系統ずつ新しいルーターにつなぎ替える。レジと決済端末をいちばん先にする
- 書き出した一覧に沿って、機器ごとに動作を確かめる(レジの会計の試し、決済端末の通信の確認、電話の発信と着信、防犯カメラをスマホで見る)
- いまの回線を残せる契約・切り替え方法かを事業者に確かめ、残せるなら動作を確かめてから解約する(問題が出たときに戻せる)。同じ設備のまま事業者だけを変える切り替えでは、並行して残せないことがある
5 番の確認は、「画面が出る」だけでなく、実際の操作を 1 回ずつ通すのが大切です。決済端末の通信の確認やレジの試し打ちの方法は、それぞれのサポート窓口に聞いておきます。
切り替え後に一部の機器だけ動かないときの切り分け
インターネットは見られるのに、特定の機器だけ動かないときは、次の順番で絞り込みます。
- その機器が店内のネットワークにつながっているか:Wi-Fi の名前が変わっていないか、LAN ケーブルが元の差し込み口に戻っているか
- ルーターが 2 台重なっていないか:新しい回線の機器にもルーターの機能があり、古いルーターを後ろにつないだままにすると、ルーターが 2 段になります。2 台ともルーターとして動いている構成では、外から見る設定や VPN に追加の設定が必要になる場合があるため、2 段になっているかを設置業者や回線事業者に確かめ、電話などのサービスに影響しない形に機器のつなぎ方を直します。回線の機器は電話の役目を兼ねていることがあるため、自己判断で設定を変えないようにします
- ルーターの設定が移っているか:外から見る設定、VPN、機器ごとの住所の設定が、新しいルーターに入っているか
- インターネット上の住所(IP アドレス)が変わった影響か:決済会社やカメラのサービス、本部のシステムに、古い住所が登録されたままになっていないか
- サービス側の問題か:同じサービスを使う他の店舗や、スマホの回線から試しても動かない場合は、店のネットワークではなくサービス側を疑い、サポートの窓口に問い合わせる
防犯カメラが外から見られなくなった場合の確認の順番は、防犯カメラがスマホで見られない原因の記事でも詳しく説明しています。
複数の店舗で順番に切り替えるとき
店舗が複数ある場合は、1 店舗で先に切り替え、確認の一覧と手順を固めてから他の店舗に広げるのが安全です。1 店舗めで見つかった問題(設定の移し忘れや、住所の登録の変更など)を、他の店舗の準備に反映できます。
本部と店舗を VPN でつないでいる場合や、本部で全店の防犯カメラを見ている場合は、本部側の設定を変える必要があるかも確かめます。店舗のネットワークの作り方は、複数店舗の防犯カメラを本部でまとめて見る記事でも触れています。
回線が止まっても営業を続けるための備え
切り替えのときに限らず、光回線は工事や障害で止まることがあります。レジや決済を止めたくない店舗では、次のような備えが考えられます。
- 予備の回線:モバイル回線(LTE・5G)を使うルーターを用意し、自動で切り替える機能に対応した機器を選び、切り替えの設定をしておくと、光回線が止まったときにモバイル回線へ切り替えられる
- 決済端末の通信の確認:決済端末によっては、端末自体にモバイル回線の機能があるものもある。店舗の端末がどちらか確かめておく
- 止まったときの手順:誰が、どこに連絡し、どの機器を確かめるかを 1 枚にまとめて、レジの近くに置く

予備の回線を入れるかどうかは、止まったときの影響の大きさと、店舗の規模で判断します。
自分で切り替えるか、工事会社に頼むか
店内の機器がルーター 1 台とタブレット数台だけなら、事業者の案内に沿って自分で切り替えられることも多くあります。一方で、次のような店舗は、切り替えの前の調査から工事会社に任せると、営業を止める時間を短くしやすくなります。
- 有線の機器が多く、どの LAN ケーブルが何につながっているか分からない
- 外から防犯カメラを見る設定、VPN、固定の IP アドレスを使っている
- 複数の店舗で順番に切り替える
- 切り替えを営業時間外に一度で終えたい
当社では、切り替え前の機器の書き出しと設定の確認、新しいルーターの設定、当日のつなぎ替えと機器ごとの動作確認まで対応します。回線の申し込み先を選ぶときは、下の比較の欄も参考にしてください。
出典と調査の方法
転用の手続きと、接続方式によって外から見る設定(ポート開放)が使えない場合があることは、2026 年 9 月 25 日に次の公式サイトで確かめました。
- NTT 東日本「光コラボレーション事業者さまが提供する、光アクセスサービスへの移行(転用)のお手続き」(転用の手続きと条件)
- バッファロー「ポートを開放する方法」(接続方式によってポート開放ができない・限られること)
当日の順番と切り分けの方法は、当社のネットワーク工事の経験からまとめたもので、機器や契約によって変わります。
