POS レジのネットワークが切れる原因と対処法。Wi-Fi・ルーター・回線のどこが悪いかを切り分ける順番

POS レジのネットワークが切れるときは、「1 台だけか、店内の全部か」を最初に見ると、原因の場所を早く絞れます。
- レジ 1 台だけが切れる → その端末の Wi-Fi の電波・設定、ケーブル、機器の不調を疑う
- 店内の全部の機器が切れる → ルーター・回線の機器・インターネット回線の障害を疑う
- 混む時間だけ切れる → Wi-Fi の混雑や、来店客向け Wi-Fi と同じネットワークを使っていることを疑う
再起動で一時的に直っても、同じことが繰り返すなら、店舗のネットワークの作りに原因があることが少なくありません。
(見出しの下の画像は生成したイメージです。実際の店舗や当社の施工の写真ではありません。)
この記事で分かること
- POS レジのネットワークが切れる主な原因
- 営業中にまず試す対処法
- 再起動で直らないときの切り分けの順番
- 止まりにくい店舗ネットワークの作り方
POS レジのネットワークが切れる主な原因
| 場所 | よくある原因 | 起きやすい症状 |
|---|---|---|
| レジの端末 | Wi-Fi の電波が弱い、省電力の設定、OS やアプリの更新 | その 1 台だけがオフラインになる |
| Wi-Fi | 電波の混雑(近くの店舗・来店客の端末)、電子レンジなどの干渉、アクセスポイントの置き場所 | 混む時間や、特定の場所で切れる |
| ルーター・スイッチ | 機器の熱・故障、つなげる台数の上限、IP アドレスの配り方 | 店内の複数の機器が同時に切れる |
| 回線 | 回線の会社の障害・工事、回線の機器(ONU など)の不調 | 店内の全部がインターネットにつながらない |
| 配線 | LAN ケーブルの抜けかけ・踏まれて傷んだケーブル | 有線でつないだ機器が時々切れる |
| 決済・クラウドの側 | 決済の会社やレジのクラウドの障害 | 店内のネットはつながるのに、決済だけできない |
クラウド型の POS レジは、売上のデータをインターネットの向こうのサーバーに送るため、店内のネットワークと回線の両方が安定している必要があります。
営業中にまず試す対処法
営業中は、原因を調べるより会計を止めないことが先です。
- ほかの端末でインターネットが見られるか確かめる(スマートフォンを店の Wi-Fi につないで、ウェブサイトを開く)
- レジ 1 台だけなら、その端末の Wi-Fi をいったん切って入れ直す。有線なら LAN ケーブルの差し込みを確かめる
- 店内の全部なら、回線の機器(ONU)とルーターの両方の電源を切り、説明書の待ち時間を守ってから、ONU→ルーターの順に電源を入れる(手順は機器の説明書に従う)
- 回線の会社の障害情報のページを、スマートフォンのモバイル回線で確かめる
- それでもつながらなければ、レジのメーカーが用意しているオフラインでの会計や、予備の回線(モバイルルーター・テザリング)に切り替える

オフラインで会計できる範囲(現金だけ、カード決済は不可など)はレジの製品によって違い、対応する製品でも事前の設定、使える支払い方法、再接続までの期限などの条件があります。使う前に製品の説明で確かめ、営業を止めないための手順を、開店前に店のスタッフで決めておくと安心です。
再起動で直らないときの切り分けの順番
繰り返し切れる場合は、次の順に確かめます。

1. いつ・どの機器が切れるかを記録する
- 日時、切れた機器、ほかの機器は使えたか、どのくらいで戻ったか
- 「ランチの時間だけ」「冷蔵庫の近くのレジだけ」のようなくせが見えると、原因を絞りやすくなります
2. Wi-Fi の電波と混雑を確かめる
- レジの位置で電波が弱くないか
- 来店客向けの Wi-Fi と、レジ・決済端末の内部のネットワークが分けられているか(Wi-Fi の名前(SSID)が別でも、機器の設定によっては同じネットワークにつながっていることがある)
- 近くの店舗の Wi-Fi が多い場所では、5GHz を使う、チャンネルを変えるなどで改善することがあります(2.4GHz と 5GHz の違いは「防犯カメラの Wi-Fi が途切れる原因」でも説明しています)
3. ルーターとスイッチを確かめる
- 置き場所が熱のこもる棚の中になっていないか
- 家庭用のルーターに、レジ・タブレット・カメラ・来店客のスマートフォンがすべてつながっていないか(つなげる台数の上限を超えると不安定になることがある)
- IP アドレスの重複:プリンターや決済端末に手で決めた IP アドレスが、ルーターの自動の割り当てとぶつかると、つながったり切れたりします
4. 回線を確かめる
- 店内の全部が同時に切れる、ルーターのランプが回線の異常を示す、といった場合は、回線の会社に問い合わせます
- 夜間や週末など、混み合う時間だけ遅い場合で、店内の Wi-Fi ではなく回線側の混雑が原因と分かったときは、回線の方式(IPv6(IPoE)に対応しているかなど)の見直しで改善することがあります
見落としやすい原因の例
次のような原因は、再起動で一時的に直るため見落とされやすいものです。
- 家庭用のルーター 1 台にすべての機器をつなぎ、あとから台数が増えた
- レシートプリンターの IP アドレスが、後から足した機器とぶつかる
- アクセスポイントがバックヤードの奥にあり、客席側のタブレットまで電波が届きにくい
- カウンターの下の LAN ケーブルが足で踏まれて傷む
止まりにくい店舗ネットワークの作り方
- ネットワークを分ける:レジ・決済、防犯カメラ、来店客向け Wi-Fi を別のネットワークにする。あわせて、同じ無線の機器や回線を共用する場合は、その容量も足りるかを確かめる
- 止まると困る機器は有線で:据え置きのレジ、決済端末、プリンターは LAN ケーブルでつなぐ
- 業務用のアクセスポイントを、レジやタブレットを使う場所の近くに置く
- IP アドレスの割り当てを決めて記録する:どの機器に何番を割り当てたかの一覧を残す
- 予備の回線を用意する:光回線が止まったときに、モバイル回線へ切り替えられるようにする
新しく店舗を開く場合は、「店舗の開業とインターネット回線」で、開通から開店前の確認までの流れを説明しています。回線を切り替える予定がある場合は「店舗の光回線を乗り換えるときに止まる機器と切替の順番」もご覧ください。
よくある質問
POS レジがオフラインになると、売上のデータは消えますか
オフラインの間の会計を端末に保存し、つながったあとで送る仕組みを持つ製品もあります。ただし、対応の有無、事前の設定、再接続までの期限などは製品によって違い、条件を満たさないと処理されないこともあるため、メーカーの説明を必ず確かめてください。
Wi-Fi のルーターを新しくすれば直りますか
古いルーターや家庭用のルーターが原因なら改善することがあります。ただし、Wi-Fi の混雑や IP アドレスの重複、配線の傷みが原因なら、ルーターを替えても直りません。先に切り分けをしてから替えるほうが確実です。
決済端末だけがつながりません
店内のほかの機器がインターネットにつながるなら、決済端末の設定(つなぐ Wi-Fi の名前やパスワード)、または決済の会社の側の障害を疑います。決済の会社の障害情報を確かめてください。
来店客向けの Wi-Fi をやめたほうがよいですか
やめる必要はありません。レジ・決済とは別のネットワークにし、使える速さに上限を設けるなどの設定をしたうえで、無線の機器と回線の容量が足りるかも確かめれば、両立しやすくなります。
まとめ
- まず 1 台だけか、全部か、混む時間だけかを見て、原因の場所を絞る
- 営業中は会計を止めない手順(オフラインの会計・予備の回線)を先に
- 繰り返すなら、Wi-Fi の混雑・ルーターの台数・IP アドレスの重複・配線の傷みを順に確かめる
- ネットワークを分け、止まると困る機器は有線でつなぐと止まりにくくなる
出典と調査の方法
店舗のネットワークと機器の安全な使い方、Wi-Fi の周波数帯の違いは、次の公式サイトで確かめました(2026 年 9 月 28 日確認)。
- 総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト:職場での対策」
- 総務省「無線 LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について」
- バッファロー「Wi-Fi ルーターの周波数帯(6GHz 帯/2.4GHz 帯/5GHz 帯)の違いについて」
- NOTICE「みんなで守る、IoT。」(総務省・情報通信研究機構)(ネットワークにつながる機器のパスワードの管理)
切り分けの順番と「見落としやすい原因の例」は、当社のネットワーク工事の経験から一般的な注意点としてまとめたもので、特定の案件の記録ではありません。オフラインでの会計の可否や再起動の手順は、レジ・決済端末の製品ごとに違います。
