POS・IoT

複数店舗の POS レジを一斉に入れ替える進め方。本部が決めること・店舗ごとの事前調査・試行店から広げる順番

 株式会社オーグマー

倉庫の作業台に、同じ形の新しいタブレット型のレジとレシートプリンター、カード決済端末が、店舗ごとに分けた箱の横に並べられている様子

複数の店舗の POS レジを一斉に入れ替えるときは、「全店でそろえるもの」と「店舗ごとに違うもの」を最初に分け、1〜2 店舗で試してから広げるのが進めやすい方法です。

  • 本部が決める → 機種、設定、ネットワークの分け方、切り替えの日の連絡の順番
  • 店舗ごとに調べる → 配線と電源の位置、回線とルーター、つながる機器
  • 試行店で確かめる → 切り替えの手順と所要時間、開店前の確認項目
  • 残りの店舗へ広げる → 試行店で直した手順を全店に使う

1 店舗の入れ替えで確かめることは「POS レジの入れ替えで確かめること」で説明しています。この記事では、本部が複数の店舗をまとめて進めるときに加わる段取りを説明します。

(見出しの下の画像は生成したイメージです。実際の店舗や当社の施工の写真ではありません。)

この記事で分かること

  • 複数店舗の入れ替えで、本部が最初に決めること
  • 店舗ごとの事前調査で確かめること
  • 試行店から広げる順番と、切り替えの日の連絡の決め方
  • うまくいかなかったときに戻す条件の決め方

一斉の入れ替えで起きやすいこと

1 店舗の入れ替えでは、その場で気づいて直せることも、店舗が増えると同じ問題が何店舗でも起きます。

起きやすいこと内容
店舗ごとに配線が違う同じ図面のつもりでも、改装や増設で LAN の口や電源の位置が店舗ごとに違う
回線とルーターがそろっていない店舗によって回線の会社やルーターの機種が違い、同じ設定が使えない
つながる機器が違うプリンター、決済端末、キッチンの表示機、券売機など、店舗ごとにつながる機器が違う
当日の連絡が混乱する何店舗も同時に動くと、誰に何を連絡するかが決まっていないと止まる
手順が店舗ごとにばらばら作業する人ごとに手順が違い、あとから不具合の原因を追いにくい

これを防ぐには、事前に店舗ごとの違いを一覧にし、手順を 1 つにそろえることが大事です。

本部が最初に決めること

全店でそろえるもの

  • レジの機種と周辺機器の組み合わせ:プリンター、決済端末、ドロアなどの組み合わせを決める
  • 設定:商品、税、支払い方法、レシートの表記など、本部で一括して配る設定
  • ネットワークの分け方:レジ・決済端末と、お客様用の Wi-Fi・防犯カメラなどを分ける方法を全店で同じにする
  • 機器の名前と IP アドレスの付け方:店舗番号を入れるなど、どの店のどの機器かがすぐ分かる付け方

店舗ごとに違ってよいもの

  • 回線の会社と契約(すぐにはそろえられないことが多い)
  • レジの台数と置き場所
  • 店舗だけにある機器(券売機、キッチンの表示機など)

全店でそろえるものが増えるほど、手順と不具合の切り分けが楽になります。一方、回線の乗り換えまで同時に進めると作業が重なり、原因を追いにくくなります。回線の切り替えとレジの入れ替えは、できれば時期を分けます(回線の切り替えでレジを止めない方法は「店舗の光回線の乗り換えでレジを止めない方法」)。

会議室の机の上で、白い紙に描いた複数の四角と線の図を、手元がペンで指しながら確かめている様子

店舗ごとの事前調査で確かめること

各店舗で次の項目を確かめ、店舗ごとの調査表にまとめます。項目を全店で同じにしておくと、違いが一目で分かります。

項目確かめること
回線とルーター回線の会社、ルーターの機種と置き場所、管理する人
配線レジの位置に LAN の口があるか、ケーブルの長さが足りるか
電源レジの近くにコンセントがあるか、タコ足になっていないか
つながる機器プリンター、決済端末、表示機などの機種とつなぎ方(有線・Wi-Fi・Bluetooth)
Wi-Fi業務用とお客様用が分かれているか、レジの位置で電波が安定しているか
作業できる時間閉店後・開店前に作業できる時間と、建物の入館のルール

調査表で追加の配線や電源の工事が要る店舗が分かったら、その店舗は入れ替えの日より前に工事を済ませます。当日に配線から始めると、時間内に終わらないおそれがあります。

試行店から広げる順番

  1. 試行店を 1〜2 店舗選ぶ:本部から行きやすく、つながる機器が多い店舗を選ぶと、問題を早く見つけられる
  2. 試行店で入れ替える:手順書どおりに作業し、かかった時間と、手順書と違ったところを記録する
  3. 営業で確かめる:数日営業して、会計、決済、レシート、売上の集計が正しいかを確かめる
  4. 手順書を直す:試行店で見つかった問題を手順書と調査表に反映する
  5. 残りの店舗を順に入れ替える:1 日に入れ替える店舗の数は、当日に対応できる人の数から決める

最初から全店を同じ日に入れ替えると、問題が出たときに全店で同時に止まるおそれがあります。一斉といっても、数店舗ずつのまとまりで進めるほうが、止まったときの影響を小さくできます。

閉店後のカフェで、新しいタブレット型のレジのスタンドに LAN ケーブルと電源のケーブルをつないでいる手元

切り替えの日の連絡と、戻す条件を決めておく

連絡の順番

当日は、店舗、本部、作業する人、レジや決済の会社が同時に動きます。次を事前に決め、関係者に配っておきます。

  • 作業の開始と終了を誰に連絡するか
  • 問題が出たときに、まず誰に連絡するか(店舗 → 作業する人 → 本部 → 機器の会社 など)
  • レジの会社、決済の会社、回線の会社の問い合わせ先と、聞かれる情報(店舗番号、端末の番号など)

開店前に確かめること

全店で同じ確認表を使います。

  • 会計ができる、レシートが出る
  • 現金以外の決済が通る
  • 売上が本部の集計に届いている
  • プリンター、表示機など、つながる機器がすべて動く

戻す条件

「開店の何分前までに確認が終わらなければ、古いレジに戻す」のように、戻す条件と戻し方を事前に決めます。古いレジと配線は、新しいレジで数日営業できることを確かめるまで残しておくと、戻す判断がしやすくなります。

安全面で確かめておくこと

レジや決済端末は、会計や個人の情報を扱う機器です。入れ替えにあわせて次も確かめます。

  • ルーターやネットワーク機器の管理用のパスワードを、初期のまま使っていない
  • 古いレジの中のデータの消し方を、レジの会社の案内に沿って決めておく
  • 退職者や作業後の業者に、管理画面のアカウントを残したままにしない

よくある質問

Q. 全店を同じ日に入れ替えたほうが早くないですか?

全体の期間は短くなりますが、問題が出たときに全店で同時に止まるおそれがあります。試行店で手順を確かめてから、数店舗ずつ進める方法をおすすめします。

Q. 店舗ごとの回線の違いはそろえるべきですか?

レジの入れ替えと同時にそろえる必要はありません。ただ、回線とルーターがそろっていると、あとの保守と不具合の切り分けが楽になります。そろえる場合は、レジの入れ替えとは時期を分けます。

Q. 事前調査は店舗の人にお願いできますか?

調査表の項目を決めておけば、写真と回答をお願いすることはできます。配線や電源の位置など判断が難しいものは、作業する人が現地で確かめると確実です。

まとめ

  • 「全店でそろえるもの」と「店舗ごとに違うもの」を最初に分ける
  • 店舗ごとの事前調査を同じ調査表でまとめ、追加の工事が要る店舗は先に済ませる
  • 試行店で手順を確かめてから、数店舗ずつ広げる
  • 連絡の順番、開店前の確認表、古いレジに戻す条件を事前に決める

出典と調査の方法

店舗のネットワーク機器の安全な使い方は、次のサイトで確かめました(2026 年 10 月 19 日確認)。

進め方、調査表の項目、確認表と戻す条件の決め方は、複数店舗の入れ替えで一般に確かめたい点をまとめたもので、特定の案件の記録ではありません。設定の配り方や古いレジのデータの消し方は、レジの会社と機種によって違います。