オフィス移転のネットワークの準備と流れ。回線・配線・電源を移転日に間に合わせる段取り

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オフィス移転のネットワークは、インターネット回線の手続きを最初に始め、配線と電源の位置は内装の工事より前に決めるのが、移転の日に間に合わせるための基本です。
- 回線:今の回線を「移転」できるか、新しく申し込むかを確かめ、早めに申し込む。開通の日は、建物と時期によっては希望どおりに取れないことがある
- 配線と電源:机・複合機・ネットワーク機器の置き場所を決め、LAN の配線の経路とコンセントの位置を、内装の工事に合わせて決める
- 試験:引っ越しの前に、新しいオフィスで回線と Wi-Fi がつながるかを確かめておく
当日になって「回線は来ているのに、つながらない」「コンセントが足りない」と分かると、業務が止まります。この記事では、移転の日から逆算した段取りと、見落としやすい確認をまとめます。
(見出しの下の画像は生成したイメージです。実際のオフィスや当社の施工の写真ではありません。)
この記事で分かること
- オフィス移転で必要なネットワークの準備の一覧
- 移転の日から逆算した段取り
- ビル・内装の工事と合わせて決めること
- 移転の当日と翌日に確かめること
オフィス移転で必要なネットワークの準備
| 項目 | 主な内容 | 決める相手 |
|---|---|---|
| インターネット回線 | 移転か新規か、開通の日、固定 IP アドレスの有無 | 回線の会社・プロバイダ |
| 電話 | 番号を引き継げるか、ひかり電話・ビジネスフォンの移設 | 回線の会社・電話の業者 |
| LAN の配線 | 机・複合機・会議室までの配線の経路、配線の本数 | ネットワークの業者・内装の業者 |
| 電源 | ネットワーク機器・複合機・サーバーのコンセントの位置と容量 | ビルの管理会社・電気の工事の業者 |
| ネットワーク機器 | ルーター・スイッチ・アクセスポイントの置き場所と設定 | 社内の担当・ネットワークの業者 |
| Wi-Fi | 新しい間取りで電波が届くか、来客用の Wi-Fi を分けるか | ネットワークの業者 |
| つながる機器 | 複合機、防犯カメラ、入退室の機器、POS など | それぞれの機器の業者 |
ネットワークは、回線・配線・電源・機器がそろって初めて使えるため、必要なものが遅れると、移転の日に一部の業務を始められないことがあります。
移転の日から逆算した段取り
建物や回線の会社、時期によって必要な期間が違うため、ここでは順番を中心に示します。期間は、回線の会社と内装の業者に早めに確かめてください。

1. 移転が決まったらすぐ:回線の手続きを始める
- 今の回線を新しい住所へ移転できるかを、回線の会社に確かめる。新しい建物の設備や提供エリアによっては、移転ではなく新しい申し込みになることがあります
- 新しい建物に、光回線の設備がすでに入っているかを、ビルの管理会社に確かめる(入っていない場合は、引き込みの工事と管理会社の許可が必要になることがある)
- 固定 IP アドレスや、取引先とつなぐ専用の接続を使っている場合は、移転のあとも同じ条件で使えるかを確かめる
回線の会社の移転の案内では、移転の先でネットワーク機器を新しくした場合などは、インターネットへつなぐための設定が必要とされています(出典:NTT 東日本「フレッツ光のお引越し手続き」)。移転の手続きだけで、そのまま使えるとは限りません。
2. レイアウトを決めるとき:配線と電源の位置を決める
- 机・複合機・会議室のモニター・防犯カメラの位置を決め、LAN の配線が要る場所の一覧を作る
- ネットワーク機器(ルーター・スイッチ)を置く場所を決める。熱がこもらず、鍵のかかる場所が理想
- 配線を床下・天井・壁の中のどこに通すかを、内装の業者と決める
- コンセントの位置と数を決める。コンセントの増設や位置の変更は、作業の内容によって電気工事士の資格が必要になるため、電気の工事の業者に確かめて頼みます(出典:電気工事士法(e-Gov 法令検索))
3. 内装の工事の前:ビルの工事の区分と許可を確かめる
テナントとして入るビルでは、どの工事を誰が、誰の費用で行うかの区分(工事の区分)が決められていることがあります。
- 共用部(廊下・天井裏・設備の部屋)に配線を通す場合は、管理会社の許可と、工事をしてよい日時の決まりを確かめる
- ビルが指定する業者でないと工事できない部分があるかを確かめる
- 光回線の引き込みの経路(建物の設備の部屋から自社の区画まで)を確かめる
ここを確かめずに進めると、内装が終わったあとで配線を通せないと分かり、天井や壁を開け直すことになりかねません。
4. 移転の前:開通と配線の試験をする
- 回線が開通したら、新しいオフィスでインターネットにつながるかを確かめる
- LAN の配線が、全部の差し込み口でつながるかを確かめる
- Wi-Fi が、執務室・会議室・受付のどこでも届くかを、実際にスマートフォンやパソコンで確かめる
- 可能なら、ネットワーク機器を先に新しいオフィスへ設置して、設定を済ませておく
5. 移転の当日と翌日:業務の機器を順に確かめる
- パソコンがインターネットと社内の共有フォルダにつながるか
- 複合機の印刷・スキャン、電話の発信・着信
- 防犯カメラの録画、入退室の機器、業務のクラウドサービスへのログイン
- 困ったときの連絡先(回線の会社、ネットワークの業者、各機器の業者)を一覧にして、当日の担当者が持っておく
見落としやすい確認
移転の日に困りやすい点として、次のようなものがあります。
- 今のオフィスの回線の解約の日を、新しいオフィスの開通より前にしてしまう(解約の日を後にできる契約なら、両方を使える日を作っておくと安心)
- ネットワーク機器の設定の控えが無く、新しいオフィスで同じ設定を作り直せない
- 複合機や防犯カメラに手で決めた IP アドレスが、新しいルーターの割り当てとぶつかる
- 会議室・受付・倉庫など、人が常にはいない場所の配線や Wi-Fi を忘れる
- 来客用の Wi-Fi と社内のネットワークを分けていない
社内のネットワークと来客用の Wi-Fi を分ける考え方は、店舗の例ですが「POS レジのネットワークが切れる原因と対処法」でも説明しています。
回線を見直すなら移転のときが機会
移転は、回線の契約や、ネットワークの作りを見直しやすい機会です。
- 今の回線で、混む時間に遅い、つなぐ機器が増えたといった不満がある
- 移転の先の建物で、今の回線を移転できない、または移転より新しい申し込みのほうが条件に合う

こうした場合は、移転の手続きと合わせて回線の選び直しを検討します。回線を切り替えるときに止まる機器と順番は「店舗の光回線を乗り換えるときに止まる機器と切替の順番」、新しく回線を申し込む流れは「店舗の開業とインターネット回線」で説明しています。どちらも店舗の例ですが、基本的な確認の順番は参考になります。オフィスでは、電話、固定 IP アドレス、社内のシステムへの影響もあわせて確かめてください。
よくある質問
回線の手続きは、いつ始めればよいですか
移転が決まったら、できるだけ早く始めます。必要な期間は、回線の会社、新しい建物の設備、引っ越しの多い時期かどうかで変わるため、最初に回線の会社に確かめてください。
LAN の配線は、内装の業者に頼めばよいですか
内装の業者が配線まで請け負う場合もあります。ただし、ネットワーク機器の設定や Wi-Fi の電波の確認まで含まれるかは業者によって違うため、どこまでを誰が行うかを最初に決めておくと、抜けが出にくくなります。
今使っているルーターを、そのまま持っていけますか
持っていけることが多いですが、新しい回線や回線の機器によっては、設定のやり直しが必要です。古い機器や家庭用の機器を使っている場合は、移転を機に入れ替えるかを検討します。
移転のあいだ、業務を止めない方法はありますか
新しいオフィスで回線を別に先に開通させ、今のオフィスの回線をあとで解約できる契約なら、両方を使える期間を作れます。今の回線を「移転」する場合は、旧オフィスでいつまで使えるかが手続きによって違うため、回線の会社に確かめてください。モバイル回線を予備として用意しておく方法もあります。
まとめ
- 回線の手続きを最初に。移転か新規か、建物の設備、固定 IP アドレスの扱いを確かめる
- 配線と電源の位置は、レイアウトを決めるときに、内装の工事より前に決める
- ビルの工事の区分と許可を、内装の工事の前に確かめる
- 移転の前に試験をし、当日と翌日は業務の機器を順に確かめる
出典と調査の方法
次の公式サイトを確かめました(2026 年 10 月 5 日確認)。
- NTT 東日本「フレッツ光のお引越し手続き」(移転の手続きと、移転のあとの接続の設定)
- 電気工事士法(e-Gov 法令検索)(電気の工事に電気工事士の資格が要ること)
- 総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト:職場での対策」(社内のネットワークと機器の安全な使い方)
段取りの順番と「見落としやすい確認」は、移転のときに確かめたい一般的な注意点としてまとめたもので、特定の案件の記録ではありません。移転の手続き・開通までの期間・工事の内容は、回線の会社と建物によって違います。
