オフィスの来客インターホンをスマホで受ける方法。無人の受付の仕組みと、導入前に確かめる配線・ネットワーク

オフィスの来客インターホンをスマートフォンで受けるには、スマホ連動に対応したインターホンにするか、受付用のタブレット・アプリを置くか、今のインターホンにつなぐ機器を足すかの 3 つの方法があります。
- 今のインターホンの配線を生かしたい → スマホ連動に対応したインターホンへの交換、またはつなぐ機器の追加
- 受付で担当者を選んで呼び出したい → 受付用のタブレット・アプリ
- どの方法でも、製品が求めるインターネットの接続と、通知を受けるスマホの通信の環境・通知の設定を確かめる
導入の前に、今の配線・電源・社内のネットワークを確かめておくと、「付けたのにスマホに届かない」を防げます。
(見出しの下の画像は生成したイメージです。実際のオフィスや当社の施工の写真ではありません。)
この記事で分かること
- オフィスの来客をスマホで受ける 3 つの方法と違い
- 会社の規模・働き方に合わせた選び方
- 導入前に確かめる配線・電源・ネットワーク
- 呼び出しがスマホに届かないときの確認の順番
オフィスの来客をスマホで受ける 3 つの方法
| 方法 | 仕組み | 向いているオフィス | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| スマホ連動のインターホン | 玄関の子機と室内の親機に、スマホへ知らせる機能が付いた機種。親機や専用の機器がインターネットにつながる | 小さな事務所、決まった数人で応対する | 機種によって、つなげるスマホの台数や、外出先で受けられるかが違う |
| 受付用のタブレット・アプリ | 受付にタブレットを置き、来客が担当者や部署を選ぶと、その人のスマホやパソコンに知らせが届く。知らせを受けた担当者が受付へ迎えに行く使い方が中心 | 人数が多い、担当者ごとに呼び出したい | スマホで来客と顔を見て話せるか(映像・音声の通話)は製品によって違う。社員の名簿の管理が要る。月ごとの利用料がかかる製品が多い |
| 今のインターホンにつなぐ機器 | 今の玄関子機・親機はそのままに、スマホへ知らせるための機器(アダプターなど)を足す | 今の機器がまだ使える、交換を最小限にしたい | 今の機器が対応しているかを、メーカーの案内で確かめる必要がある |
メーカーの案内では、オフィスでスマホと連動させる場合に、専用の機器(アダプターなど)とインターネットの環境が必要とされている機種があります(出典:アイホン「オフィス(ユースケース)」、アイホン公式サイト。特定の機種の構成の例です)。どの方法でも、製品が求めるインターネットの接続と、通知を受けるスマホの通信の環境を確かめます。社内のネットワークにつなぐ場合は、来客用の Wi-Fi とは分けます。
会社の規模と働き方に合わせた選び方
数人の事務所・応対する人が決まっている
スマホ連動のインターホンが手軽です。受付に人がいないときでも、近くの席や外出先の担当者がスマホで顔を見て応対できます。
人数が多い・担当者ごとに呼び出したい
受付用のタブレット・アプリが向いています。来客が呼び出す相手を選べるため、総務の担当者が取り次ぐ手間が減ります。来客の記録を残せる製品もあります。知らせを受けた担当者が受付へ迎えに行く使い方が中心のため、スマホで来客と話したい場合は、通話の機能があるかを製品の案内で確かめます。
ビルの共用の玄関がある
ビルの共用玄関(オートロック)のインターホンは、ビルの管理会社の設備です。共用部の機器の交換や配線の変更は、管理会社の許可が要ることがほとんどです。オフィスの入口だけを変える場合も、配線が共用部を通るなら事前に相談します。

移転や改装の予定がある
移転先で配線とネットワークを決めるときに、インターホンも一緒に決めると、配線の工事をまとめられる場合があります。移転のときの段取りは「オフィス移転のネットワークの準備」で説明しています。
導入前に確かめる配線・電源・ネットワーク
配線と電源
- 今のインターホンの配線:玄関子機と親機をつなぐ線が何本か、どこを通っているか。機種を替えても今の配線を使えることがあります
- 電源の方式:親機の電源がコンセントに差す形か、壁の中で電気の線に直接つないでいる形か。電気の線に直接つなぐ作業は、電気工事士の資格が要る場合があります(出典:電気工事士法(e-Gov 法令検索))
- 受付用のタブレットの電源と置き場所:タブレットを置くなら、近くのコンセントを決める(対応する機器なら、LAN ケーブルで通信と電気を送る方法もある)
住宅のインターホンの電源の見分け方は「インターホンの交換に工事は必要か」にまとめています。オフィスの機器でも、考え方は同じです。
社内のネットワーク
- インターホンやタブレットを置く場所に、有線 LAN の差し込み口か、安定した Wi-Fi の電波があるか
- インターホンをつなぐネットワークは、業務用のネットワークにし、来客用の Wi-Fi とは分ける
- ルーターの交換や回線の切り替えの予定があるなら、そのあとも設定が引き継げるか

Wi-Fi でつなぐ場合は、壁や金属の扉などの影響で電波が弱くなる場合があるため、置く場所で電波を確かめます。動かさない機器は、できるだけ有線でつなぐと安定します。
呼び出しがスマホに届かないときの確認の順番
「受付では鳴るのに、スマホに届かない」ときは、次の順に確かめます。
- 社内のほかの機器でインターネットが使えるか:使えなければ、回線・ルーター・社内のネットワークを順に確かめる
- インターホンやつなぐ機器が、ネットワークにつながっているか:機器のランプ、管理画面、アプリの表示で確かめる
- スマホのアプリの通知の設定:通知が「オフ」、省電力の設定でアプリが止められている、ログインが切れている
- スマホの側の電波:外出先でモバイル回線が弱い、社内の Wi-Fi から外へ出たときに切り替わっていない
- ルーターの交換や Wi-Fi のパスワードの変更のあとか:インターホンの Wi-Fi の設定が古いままになっていないか
住宅のインターホンをスマホにつなぐ場合の確認は「インターホンをスマホと連動させる後付けの方法」でも説明しています。
導入のあとに決めておくこと
スマホで来客を受けられるようになっても、誰が受けるかが決まっていないと、全員が「誰かが出るだろう」と思って応対が遅れます。
- 時間帯ごとに、最初に応対する人と、出られないときの次の人を決める
- 応対できないときに、来客にどう伝えるか(呼び出し先の変更、案内の表示)を決める
- 退職や異動のときに、スマホのアプリの登録を外す手順を決める
- 来客の映像の記録を残す場合は、残す期間と見られる人を決める
よくある質問
Q. 今のオフィスのインターホンをそのまま使ってスマホで受けられますか?
今の機器が、スマホへ知らせる機器(アダプターなど)に対応していれば、交換せずに使えることがあります。対応しているかは、機種の型番でメーカーの案内を確かめます。
Q. 受付を無人にしても来客対応はできますか?
スマホ連動のインターホンなら、受付に人がいなくても、担当者がスマホで応対できます。受付用のタブレットは、担当者のスマホに知らせが届き、担当者が受付へ迎えに行く使い方が中心です。誰が受けるかの順番と、出られないときの対応を決めておくことが大切です。
Q. ビルの共用玄関のインターホンも、スマホで受けられますか?
共用玄関の設備はビルの管理会社のものです。共用玄関の機器の交換や配線の変更は、管理会社の許可が要ります。まず管理会社に相談します。
Q. インターホンの交換に資格は要りますか?
コンセントに差す形の機器なら、資格の要らない作業で済むことがあります。壁の中で電気の線に直接つなぐ作業は、電気工事士の資格が要る場合があります。
Q. 外出先でも来客に応対できますか?
外出先で受けられる機種・製品があります。インターネットを通じてスマホに知らせる仕組みのため、社内のネットワークとスマホの電波の両方が安定していることが前提です。
まとめ
- オフィスの来客をスマホで受ける方法は、スマホ連動のインターホン・受付用のタブレット・今の機器につなぐ機器の 3 つ
- どの方法でも、製品が求めるインターネットの接続と、スマホの通信の環境・通知の設定を確かめる。受付用のタブレットで通話ができるかは製品ごとに確かめる
- 導入前に、今の配線・電源の方式・置き場所の電波を確かめる。ビルの共用部は管理会社に相談する
- 導入のあとは、誰が受けるかの順番を決めておく
出典と調査の方法
電気の工事の資格、Wi-Fi の周波数帯の違い、ネットワークにつながる機器の管理は、次のサイトで確かめました(2026 年 10 月 12 日確認)。
- 電気工事士法(e-Gov 法令検索)
- 電気工事士法施行令(e-Gov 法令検索)(第 1 条 軽微な工事)
- バッファロー「Wi-Fi ルーターの周波数帯(6GHz 帯/2.4GHz 帯/5GHz 帯)の違いについて」
- 総務省「無線 LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について」
- NOTICE「みんなで守る、IoT。」(総務省・情報通信研究機構)
- アイホン「オフィス(ユースケース)」(アイホン公式サイト)
3 つの方法の比較、選び方、届かないときの確認の順番、導入のあとに決めることは、オフィスのインターホンで一般に確かめたい点をまとめたもので、特定の案件の記録ではありません。対応する機器、つなげるスマホの台数、外出先での応対の可否、利用料は、メーカーと製品によって違います。
