インターホン

インターホンの交換に工事は必要か。電源の種類で分かる見分け方と、資格が要る場合・集合住宅で気をつけること

 株式会社オーグマー

住まいの壁に付いた白いモニター付きのインターホンの親機と、隣の壁の開口部に見える取付金具と配線、手前の工具

インターホンの交換に工事が必要かどうかは、今の親機(室内のモニター)の電源の取り方でおおよそ分かります。

  • 電池式・コンセントに挿す式なら、多くは電気工事士の資格が要らず、取り外しと取り付けで交換できます
  • 電源が壁の中の配線に直接つながっている式(電源直結式)なら、電源の部分の工事に電気工事士の資格が必要です
  • マンションなどのオートロックと連動しているインターホンは、部屋ごとに勝手に交換できないことが多く、管理会社への確認が先です

(見出しの下の画像は生成したイメージです。実際の住宅や当社の施工の写真ではありません。)

この記事で分かること

  • インターホンの交換で工事が要るかの見分け方
  • 電気工事士の資格が要る作業と要らない作業
  • 今の配線をそのまま使えるか
  • 集合住宅や店舗・事務所で気をつけること
  • スマートフォンと連携するインターホンに替えるときの注意点

工事が要るかは「電源の取り方」で見分ける

親機の周りを見ると、電源の取り方が分かります。

電源の種類見分け方交換の目安
電池式親機やワイヤレスの子機に電池を入れている工事は不要なことが多い
電源プラグ式(コンセント式)親機から出たコードがコンセントに挿さっている資格の要らない範囲で交換できることが多い
電源直結式コードが見えず、壁の中の電源線に直接つながっている電源の部分の工事に電気工事士の資格が必要
壁の室内インターホン親機から、下のコンセントへ電源コードが伸びている様子

電源直結式かどうか迷うときは、親機の近くにコンセントに挿さったコードがあるかを見てください。コードが見当たらない場合は、電源直結式の可能性があります(推測で判断せず、取扱説明書やメーカーの型番で確かめるのが確実です)。

電気工事士の資格が要る作業と要らない作業

家庭や事務所の 100V の電気の配線工事は、電気工事士法で資格のある人が行うことになっています。一方で、同法の施行令では、インターホンなどに使う小型変圧器(二次電圧が 36V 以下のものに限る)の二次側の配線工事が「軽微な工事」に挙げられており、この工事は資格がなくても行えます。条件は「二次電圧 36V 以下の小型変圧器の二次側」に限られるため、電圧の低い配線ならすべて資格が要らない、という意味ではありません。

整理すると、次のようになります。

作業資格
親機と玄関子機の間の配線のうち、二次電圧 36V 以下の小型変圧器の二次側と確かめられるもの軽微な工事に当たり、資格は要らない
電源プラグをコンセントに挿す・抜く要らない
電源直結式の親機の電源線の付け外し電気工事士の資格が必要
コンセントを新しく増やす電気工事士の資格が必要

どこまでが「軽微な工事」かは、電気工事士法施行令で決められています。機器の電源の方式や配線の種類を確かめられない場合、電源の部分に少しでも手を入れる場合は、自分で作業せず資格のある人に任せてください。

今の配線をそのまま使えるか

戸建てや小さな事務所のインターホンの多くは、親機と玄関子機が 2 本の線でつながっています。

  • 新しいインターホンも同じ 2 線式で、今の配線の太さ・長さ・状態が新しい機種の条件に合うなら、今の配線をそのまま使えることが多い(条件は機種の説明書やメーカーの案内で確かめる)
  • 古い配線が傷んでいる、線が細すぎる、途中でつないである場合は、映像が乱れたり、呼び出しが鳴らなかったりすることがある
  • 玄関子機をカメラ付きに替える場合も、多くの機種は 2 線のままで使えるが、機種の説明書で使える配線を確かめる

交換のあとで不具合が出る場合は、本体だけでなく古い配線やつなぎ目も疑います。交換の前に、玄関子機の裏の配線が錆びていないか、雨水が入っていないかも見ておくと安心です。

集合住宅・店舗・事務所で気をつけること

マンション・アパート

  • オートロックのエントランスと連動しているインターホンは、建物全体の設備の一部です。部屋の親機だけを別の製品に替えると、エントランスからの呼び出しや解錠ができなくなることがあります
  • 交換したいときは、まず管理会社・管理組合・大家さんに、交換してよいか、どの製品なら使えるかを確かめます
  • 賃貸では、設備の交換に大家さんの許可が要るのが一般的です
マンションの共用玄関の壁に埋め込まれたオートロックの集合玄関機

店舗・事務所

  • 通用口や裏口のインターホンを、スマートフォンや事務所のパソコンで受けたい場合は、応答できる端末が製品によって違うため、仕様を確かめます
  • 入居しているビルの入館の仕組み(オートロック・受付)とつながっている場合は、ビルの管理会社への確認が必要です
  • 呼び出しを受ける人が複数いる場合は、誰がどの端末で受けるかを先に決めておきます

スマートフォンと連携するインターホンに替えるとき

外出先のスマートフォンで来客に応答できるインターホンは、インターネットにつながる機器です。交換の工事とは別に、次の準備が要ります。

  • Wi-Fi の電波が親機の位置まで届くか:玄関の近くや、壁で隔てられた場所では電波が弱いことがある
  • Wi-Fi の周波数:製品によって 2.4GHz にしか対応しないものがある
  • ルーターを替えたとき:Wi-Fi の名前やパスワードが変わると、インターホンの設定もやり直しになる
  • パスワードの管理:アプリのアカウントや機器のパスワードを、初期のまま使わない

外出先のスマートフォンで見られないときの原因の探し方は、防犯カメラと共通する部分が多く、「防犯カメラがスマホで見られない原因」が参考になります。親機の位置まで Wi-Fi が届きにくいときは「自宅の Wi-Fi が届かない部屋の対策」もご覧ください。

交換の前に確かめたい点

次の点を先に確かめておくと、交換の日の手戻りを減らせます。

  • 親機が電源プラグ式か電源直結式か(電源直結式なら、資格のある作業者の手配が要る)
  • スマートフォン連携の機種なら、親機の位置まで Wi-Fi が届くか(届かなければ中継機やアクセスポイントの追加が要ることがある)
  • マンションなら、エントランスと連動しているか(連動していれば管理会社の確認が先)
  • 玄関子機の位置を変えるなら、壁の中の配線の経路があるか

よくある質問

インターホンの交換は自分でできますか

電池式や電源プラグ式で、今の 2 線の配線をそのまま使える場合は、自分で交換できる製品もあります。電源直結式の電源の部分は電気工事士の資格が必要です。迷う場合は業者に頼んでください。

古いインターホンからカメラ付きに替えるとき、配線は引き直しですか

今の配線の太さ・長さ・状態が新しい機種の条件に合えば、2 線の配線をそのまま使えることが多いです。配線が傷んでいる場合や、条件に合わない場合は引き直しになるため、説明書やメーカーの案内で確かめてください。

賃貸の部屋でインターホンを交換してもよいですか

インターホンは建物の設備に当たることが多いため、交換の前に大家さん・管理会社の許可を取ってください。オートロックと連動している場合は、部屋ごとの交換はできないことがあります。

玄関子機の場所を移したいときは工事が要りますか

配線を延ばす・壁の中に通し直す作業が必要になります。二次電圧 36V 以下の小型変圧器の二次側の配線なら資格が要らない作業に当たりますが、壁の穴あけや外壁の防水の処理を伴うため、業者に頼むのが確実です。屋外の配線の考え方は「防犯カメラの屋外配線の方法」も参考になります。

まとめ

  • 工事が要るかは、親機の電源の取り方(電池・コンセント・電源直結)で見分ける
  • 電源直結式の電源の部分は電気工事士の資格が必要。二次電圧 36V 以下の小型変圧器の二次側の配線は軽微な工事に当たる
  • 2 線式の配線は、条件が合えばそのまま使えることが多いが、古い配線の傷みに注意
  • 集合住宅は管理会社の確認が先。スマートフォン連携の機種は Wi-Fi の届き方も確かめる

出典と調査の方法

電気の配線工事に資格が要ることと、インターホンなどに使う小型変圧器(二次電圧 36V 以下)の二次側の配線工事が軽微な工事に当たることは、次の法令で確かめました(2026 年 9 月 28 日確認)。

電源の種類の見分け方、配線の使い回し、「交換の前に確かめたい点」は、当社のネットワーク工事の経験から一般的な注意点としてまとめたもので、特定の案件の記録ではありません。交換できる製品と配線の条件は、メーカーと機種によって違います。